1.しのび傘
作詞:三浦康照
作曲:市川昭介
あなたの背中に 身を寄せながら
雨をさけるの しのび傘
今夜だけでも ふたりで過す
愛をください 私にも
帰したくない 帰したくない
あゝみれん町
あなたを待ってる 淋しい部屋で
お酒呑むこと おぼえたの
窓を小雨がつめたく濡らす
胸の想いが 泣くように
あなた呼んでる あなた呼んでる
あゝしのび雨
あなたの重荷にならないように
ついてゆきます しのび傘
しょせん私は さだめの川で
愛におぼれる 女です
耐えて春待つ 耐えて春待つ
あゝなみだ橋
2.恋宿
作詞:松井由利夫
作曲:市川昭介
声を殺して 小指を噛んで
恋の恋のいたみを こらえて泣いた
霧に抱かれた 山峡の
風のほそ道 かくれ宿
今日から あなたに
命あずけます
愛の区切りが つかないままに
好きと好きとなんども 言わせるあなた
窓の向こうの 渓川で
わたしみたいに 泣く河鹿
今日から あなたに
命あずけます
夢のしずくを いとしみながら
肌の肌の火照りを しずめる湯舟
あまい切ない 湯けむりに
時雨ひととき 恋の宿
今日から あなたに
命あずけます
3.恋雨
作詞:たかたかし
作曲:市川昭介
胸にほくろがある女は
情けがふかいと 抱いたひと
すがりたいのに すがれない
涙めじりにためながら
夜のとまり木爪を噛む
風が噂をつれてくる
追えば悲しい ぐちになる
すがりたいのに すがれない
二度とわたしを 呼ばないで
酔ってあなたを 捨てる夜
路地のあかりが 濡れるのは
恋の涙かため息か
すがりたいのに すがれない
あなた想えば また泣ける
頬につめたい俄雨
4.ゆきずりの花
作詞:三浦康照
作曲:市川昭介
あなたに逢えない 淋しさを
ひとりでまぎらす 想い酒
好きよ好きです ひと夜の夢で
終る恋でも 女の命
賭けた眞ごころ 信じてほしい
咲いて儚い… ゆきずりの花
遊びじゃないよと 耳許で
あなたの吐息が 炎えました
嫌よ嫌です 別れるなんて
雨がふります 旅路の宿で
泣いて縋った 男の胸に
濡れて咲いてる… ゆきずりの花
あなたの背中を 追いかけて
この身に冷たい 冬の風
馬鹿ね馬鹿です こころの操
守り通して 他国の町で
落ちる夕陽を 悲しく見るの
散って儚い… やきずりの花
5.春雨の宿
作詞:三浦康照
作曲:市川昭介
命ひとつをあなたの愛に
賭けて悔いない女のこころ
夢で瀬音を 聞きながら
強く抱れたふたりの夜が
忘れられずにひとりで来たの
あヽ追憶が 泣いている春雨の宿
あなた恋しい想いの糸は
いつになったら切れるでしょうか
勿忘草(わすれなぐさ)が 淋しさが
揺れる谷間の小怪をひとり
今日も涙と さまよう私
あヽ紫に けむるのよ春雨の宿
花に飛び交う揚羽の 蝶と
同じさだめのはかない恋ね
あなた残した 温りが
夜の湯船で哀しく炎えて
濡れた素肌が面影さがす
あヽもう一度逢いたいの春雨の宿
6.白牡丹
作詞:池田充男
作曲:四方章人
たしかなひとを
たしかな心で 愛しなさいと
言われた母に 背くけど
恋をしました おんなの恋を
胸にひっそり 咲く花は
もえて紅さす 白牡丹(しろぼたん)
苦労をかくす
一途なわたしが 見えたのでしょう
それでもつくす 悲しさが
母の心配 いまさら解る
罪と添寝を する花は
もえて紅さす 白牡丹(しろぼたん)
愛することが
幸福ですから ひとりのまゝで
わたしはいゝの 母のよに
きょうは絣の 紬に着がえ
好きなあなたを 待つ花は
もえて紅さす 白牡丹(しろぼたん)
7.恋しずく
作詞:三浦康照
作曲:大谷明裕
傘を持つ手に しずくがひとつ
肩を濡らして またひとつ
しのび逢う夜の 雨の道
ふたりの明日は ないはずなのに
あなたについて 行けるなら
雨のしずくのひと粒に
あゝなりたいの
遠くかすんで 墨絵のような
町の灯りも 泣いている
雨の淋しさ 抱きしめて
別れる運命と諦めながら
愛した胸の 傷あとに
雨のしずくのひと粒が
あゝしみるのよ
頬にこぼれる 涙の粒を
指で拭えば いとしさが
恋のしずくに 変るのよ
小雨に打たれて さまようふたり
あなたについて 行けるなら
雨のしずくのひと粒に
あゝなりたいの
8.酔い惚れて
作詞:さいとう大三
作曲:市川昭介
静かにお酒を 飲む人は
女のこころを 暖める
涙で暮らした 私にも
幸せそっと くれました
酔い惚れて いいですか
酔い惚れて いいですね
あなたの側にいるだけで
夢を見れそな 夜だから
小さな花にも 聞きました
淋しくないのと 聞きました
散らずに咲いてる 花だから
幸せですと 言いました
酔い惚れて いいですか
酔い惚れて いいですね
あなたの花に なりたいの
少し淋しい 夜だから
おんなは明日が わからない
心を重ねて いいですね
黙って肩抱く その手から
幸せ沁みる おんなです
酔い惚れて いいですか
酔い惚れて いいですね
あなたの胸で 眠りたい
心うれしい 夜だから
9.ふたりづれ
作詞:たきのえいじ
作曲:叶弦大
路地に隠れて 咲く花に
どこか似てると 肩を抱く
めぐり逢わせの この絆
ほどかないでね これから先も
なり振り構わず ついて行く
惚れた 惚れたよ
あなたとふたりづれ
暖簾くぐれば 熱燗が
あなた待ってる 日暮れ頃
そうねたまには 水入らず
夢を肴に つぎ足しながら
肩の荷おろして さし向かい
惚れた 惚れたよ
あなたとふたりづれ
明日は心の 道しるべ
今日は昨日の 置き土産
そうね人生 まわり道
俄か仕立ての しあわせよりも
流した汗だけ 味がある
惚れた 惚れたよ
あなたとふたりづれ
10.伊良湖悲曲
作詞:水木れいじ
作曲:叶弦大
あんな ちいさな 連絡船が
命あずけた
恋を 恋を 恋を乗せてく 夕日の海へ
呼んだって 止めたって
この手を離しちゃ もう遅い
立つ風ばかりが女を泣かす… 伊良湖の岬
霧にかくれて 抱きよせられて
白い渚を
ふたり ふたり ふたり歩いた 恋路ヶ浜よ
嘘でいい 罪でいい
死ぬまで一緒に いたかった
想い出ひとつに操をたてる… 伊良湖の岬
坂を登れば はるかに見える
鳥羽の港灯(あかり)も
哭いて 哭いて 哭いているよな 菜の花月夜
あの町で あの人が
私を呼んでる 声がする
こんなに好きでも近くて遠い… 伊良湖の岬
11.縁切寺
12.なさけ雨
作詞:仁井谷俊也
作曲:市川昭介
雨に濡れるよと 肩を抱き寄せる
あなたのやさしさ こころに泌(し)みてゆく
今日からは ひとりじゃないと
そばで微笑(ほほえ)む その眸(め)が好きよ
生きてゆきます あなたとふたり
あゝなさけ雨
酔った振りをして 広いその背中
あなたの苗字(みょうじ)と 私の名前(な)を書くの
あの日から 夢みていたわ
こんな形の 相合傘を
二度とこの愛 離しはしない
あゝなさけ雨
まわり道をする 路地の水たまり
あしたが揺れます おんなの倖せが
この眼には 見えない糸で
固く結んだ ふたりの絆
ついて行きます いのちの限り
あゝなさけ雨
13.あじさいの宿
作詞:仁井谷俊也
作曲:叶弦大
ひと雨ごとに 色彩(いろ)をます
花はおんなの 未練でしょうか
あゝ今も この胸に
忘れられない いのち火が燃えるのよ
帰りたい… 帰れない…
紫陽花(あじさい)の宿
素顔が好きと 抱きしめた
心がわりが 今さら憎い
あゝ白い 湯けむりに
秘めたあの夜は うたかたの夢ですね
恋しいの… 逢いたいの…
紫陽花の宿
蛇の目の傘に 肩寄せて
ふたり歩いた いで湯の橋よ
あゝあなた 想い出で
終わりたくない ひとすじの純愛(こい)なのよ
戻りたい… 戻れない…
紫陽花の宿
14.おんな花ざかり
15.海鳴りの酒場
作詞:三浦康照
作曲:叶弦大
小雨まじりの つめたい風が
縄ののれんに からみつく
ここはさい果て 海鳴り酒場
嘘で固めた 愛なんて
欲しくないわと 強がりを
言って別れた あなたが あなたが憎い
思い切れない 心の傷が
なんで今更 痛むのよ
ひとり淋しい 海鳴り酒場
酔えば今夜も 未練虫
胸で泣くのよ しくしくと
逢えぬあなたに 想いを 想いを寄せて
遠い沖から 聞こえてくるの
嵐呼ぶよな 波の音
忘れられない 海鳴り酒場
たった一度の 恋なのに
賭けたなみだの ひとり酒
春はいつ来る あなたを あなたをつれて
16.雪どけの宿
作詞:三浦康照
作曲:叶弦大
ひとつ浮雲 あかね雲
梢を渡る 風の冷(つめ)たさ
あなたを訪ねて 山間(やまあい)の
雪に埋(うも)れた 温泉(いでゆ)町
あゝ湯けむりに
愛の名残りか 面影か… 雪どけの宿
ひとり湯舟で 湯上りの
湯の香に残る 恋の移り香
命もこころも あの人に
みんな捧げた 雪の夜
あゝ思い出が
胸にこみあげ 泣けるのよ… 雪どけの宿
けむる湯もやに まぼろしか
あなたの姿 ひとり探すの
ふたりで歩いた 温(ぬく)もりが
残る涙の 温泉(いでゆ)橋
あゝ湯けむりに
夢は還らぬ この想い… 雪どけの宿
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